学習塾ロジム中高部 / 論理的思考力・問題解決力養成

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ひとりで学べる線型代数

早稲田大学で実際に行われている「講義を全くしない授業」で使われているテキスト。説明を読み、問題を解き、わからない所は前に座っている先生に質問するという形式だそうです。
内容の充実度も解説の丁寧さも高校生が大学数学を少しのぞいてみたり、入学前に一通り見ておいたりするためのものとしてはかなり良く出来ていると思います。
著者の近藤先生がインタビューで語っていましたが、黒板に書く内容を書き写しながら、話す内容を聞き取るのは非常に高度な能力が必要な行為です。さらに聞き取りながら、その内容を咀嚼して考えるというのは相当な思考スピードが必要。普通の能力の生徒ほど、まず自分の感性で読み、解いてみて、問題との距離感をつかむことが大切なのです。(ただ、本当に実感の持てない初心者中の初心者にはまず導入の小話から入る必要があるのですが。)
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余談だが、大学1年生が使う数学のテキストは、本当に年々レベルが下がっている。つまり、生徒のレベル(全体というより下限)が下がってきている。指定教科書など読みこなせるわけがなく、多くの生徒がそれを読むためにさらに簡単な参考書を買っているというのが現状のようだ。東京大学が教養課程のカリキュラムの改訂を行っているそうだが、一番の課題は生徒間の学力差だという。下位入学組は以前とは比べ物にならないぐらい学校の期待する水準を下回っているというのだ。
問題は、そういう生徒も合格しただけで優秀になった気がしてあまり勉強しないという点。まあ、その末路がどうなるかは現在の中・高生の皆さんの方が実感値があるかな。偏差値表の高い位置にある難関の学校でも、入学時点で信じられない位出来ない生徒が少なからずいるのが現実だ。
大切なのは、今の生徒の親世代の感覚で安心できたタイトルは現在では当時ほど中身を保証していないことを理解することだ。一流の中学、高校、大学。一流の会社。一流の資格。すべて同じ。最後の合格者集団に滑り込むために必要な努力量が少なくなっている。

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